平成23年 8月 2日  

 

みんなの党宮城県議会第五支部 

支部長  境 恒春 

 

 

放射性ストロンチウムの調査と

水産物の安全証明書発行に関する要望書

 

 

平成23年3月11日、東日本を襲った大震災において私の地元である宮城県気仙沼市は地震と大津波、そして、それによって流出した石油の引火による広域火災も発生し、被害は甚大なものとなりました。

気仙沼市の基幹産業である水産業では、今回の大津波で気仙沼魚市場が壊滅状態に追い込まれました。市場は約70センチ地盤沈下し、約250メートルにわたってかさ上げ工事を実施するなどの応急復旧工事を実施。カツオ漁のシーズンに間に合わせようと総額約2億円をかけカツオ船の受け入れ態勢を整え、ようやく6月23日に市場を再開することが出来ました。

カツオ船をはじめ、8月1日には沿岸漁業も再開し、市場にはスルメイカやアイナメ、ヒラメなどが次々と水揚げされて活気づいております。しかし、東京電力福島第1原発の事故による放射線の影響で、水産業者と消費者との間には食品に対しての意識に大きな隔たりが生まれて来ました。

 

平成23年5月末、文部科学省は、宮城県気仙沼市沖から千葉県銚子市沖まで南北約300キロにわたる海底の土から、最高で通常の数百倍に当たる濃度の放射性物質を検出したと発表。同時に文部科学省は、「海産物に影響が及ぶ恐れがある」との発表もしております。これは、福島第1原発から海に流出した汚染水に含まれた放射性物質が広範囲に拡散していることの裏付けとなります。

5月9日から14日にかけ、沖合約15キロ〜50キロの12カ所で海底の土を採取。すべてから放射性物質が検出され、濃度が最も高かったのは福島第1原発の沖合約30キロの水深126メートルの海底で、土1キログラム当たり、セシウム134は260ベクレル、セシウム137は320ベクレルでした。ほぼ同じ海域で平成20年に行った調査では、セシウム134は検出されず、セシウム137は1ベクレル前後。半減期が短く平成20年の調査で検出されなかったヨウ素131も、平成23年の調査では土1キログラム当たり、1.6〜6.1ベクレル検出されております。

 

また、厚生労働省は7月6日、福島県いわき市沖で取れたシロメバルから、食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える3200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表。シロメバルから放射性物質が検出されたのは初めてであり、同県では漁業協同組合がすべての漁を自粛しており、シロメバルが市場に出回ることはないとしております。

加えて、農林水産省は、 6月19日に北緯37.03度、東経143.37度及び北緯37.03度、東経143.49度周辺(福島県東方海域)で採捕されたカツオのサンプルを独立行政法人水産総合研究センターにおいて検査した結果、放射性セシウム、放射性ヨウ素とも検出限界未満であると発表。今後も水揚げされるカツオについてのサンプリング調査を継続していくとしていますが、チェルノブイリの原発事故の際にも、日本周辺の魚も放射性物質の汚染がありました。その際には、やはり小魚から最初に放射性物質が検出され、中型の魚は遅れて1年後に検出されるという風に、生物濃縮に従ってピークが移動しました。

 

今回の原発事故で海水に流れ出たストロンチウムが植物プランクトンに吸収され、その後、食物連鎖で小魚に、約2ヵ月で中型の魚、約4ヵ月で大型の魚へと運ばれ、順を追うごとに濃縮されます。3月からストロンチウムが流れていたとすると、7月頃から徐々にカツオやマグロなどの大型魚に汚染が拡がる計算になります。ストロンチウムは、最終的には海の底にいてあまり移動しないヒラメやカレイなどの魚に蓄積していきます。

しかし、ストロンチウムが危険な放射性物質であるにもかかわらず、政府は現在に至るまで海産物を対象としたストロンチウムの検査をしておりません。内部被曝の場合、ストロンチウムは骨に取り込まれて、長期間排泄されません。そのため骨への被曝の影響が危惧される点、セシウムと同じように放射線の半減期が長いので、環境を長期間に渡り汚染し続けると言う点が大きな問題です。

 

それにより一番被害を受けるのは子供です。長期的には骨肉腫のような骨由来の癌や、造血器の腫瘍は増加させる筈です。小児期に骨に放射線が侵入し、被曝の状態が続くことは、子供の成長を妨げる因子となることが予想されます。

そこで、国による、海産物を対象としたストロンチウムの検査を早期に行っていただくことを要望致します。

 

また、放射性物質の海での動向は、親潮と黒潮がぶつかる潮流にのり広く太平洋に拡散されるか、海底に沈着するかが主のようです。暫定規制値以下であるから大丈夫ということではありませんし、風評被害という言葉を使って、実害をカムフラージュしてしまうことは大変危険です。

国が規制値以下であるから安全という発表を行うのであれば、水揚げされた水産物を安全・安心な形で消費者に届ける為に水産物をはじめとした、あらゆる食品に対しての安全証明書を発行するべきです。証明書を発行することで消費者はより安心感を持ち、更なる消費拡大に繋がることは間違いありません。

長期的な視野での食の安全と産業振興を確立するために、水産物をはじめとしたあらゆる食品に関しての安全証明書の発行を併せて要望致します。