平成23年5月26日

 

みんなの党宮城県議会第五支部

支部長 境 恒春

 

東日本大震災による

宮城県気仙沼市の被害報告・現状・今後について

 

<はじめに>

平成23年3月11日、東日本を襲った大震災において、私の地元である宮城県気仙沼市は、地震と大津波、そして、それによって流出した石油の引火による広域火災も発生し、被害は甚大なものとなりました。

港近くにあった私の選挙事務所も、津波に加え、この広域火災により焼失。

私自身も街宣活動中に被災し、あと数分遅ければ、津波に飲み込まれておりました。

この度の大震災の被害はあまりにも甚大であり、国からの支援がなければ、気仙沼市の早期の復興は望めません。今後、住宅・雇用の問題解決を優先的に進めることが必要であると考えます。

 

1.  震災の概要 

発生日時平成23年3月11日(金)午後2時45分ころ 

震源:北緯38度・東経142.9度・深さ8km 

マグニチュード:9.0 

 

各地の震度:(3月30日 気象庁発表)

・気仙沼市赤岩 → 6弱 ・気仙沼市笹が陣 → 5強 ・気仙沼市本吉町 → 5強

 

 

2.気仙沼市の主な被害状況 (5月24日現在)

死者951人、行方不明者539人、避難者は58ヶ所に3,906人

ライフライン復旧状況 電気90〜95%(非公式)、上水道69.8%、市ガス90.0%

上記の復旧状況は、家屋などが流出した地域を除いております

写真:津波により流されたタンク(浪板橋付近)
写真:火災により焼け野原と化した鹿折、大浦地区
(市内では大規模火災が複数発生)

3.  地盤沈下

地殻変動が気仙沼湾の海底を最大10m削ったとする調査結果を、大阪市立大学の原口教授率いる研究チームが発表しております。

そして、国土地理院の調査の結果、この地殻変動により気仙沼市は76cmの、著しい地盤沈下があったことが明らかとなりました。

 

 

4.  産業

気仙沼市の産業は水産業と観光が中心であり、特に、マグロ、カツオ、サンマは、全国有数の水揚げ高を誇っております。 気仙沼は日本一のフカヒレ生産地で、全国のおよそ半分の1万4000トンが気仙沼港で水揚げされており、加工技術に優れた気仙沼産フカヒレは、世界的なブランドですが、今回の震災により、港の近くにあったフカヒレ加工工場全てが被害を受けました。

また、6月下旬には、カツオ一本釣り船が入港します。

生鮮カツオ水揚げ14年連続日本一を誇る気仙沼漁港は、宮崎・高知・三重・静岡などの一本釣り漁船が三陸沖で漁をして水揚げし、主に東京・大阪に届けてきました。
 気仙沼市魚市場は、震災で長さ250メートルにわたって70センチ沈下しましたが、来月中旬にかさ上げ工事を終える予定でカツオ船の入港に備えておりますが、周辺の加工・冷凍施設の再開には未だめどが立っておらず、放射能の心配もあり、不安が残っております。

水産業の基盤の大半がなくなりましたが、目の前には豊かな海があるので、優位性は失われていないと考えますが、土地が沈降し、冠水の度合いも深刻な為、臨港地区全体の再建が必要です。

気仙沼魚市場近く(弁天町)での冠水 炎上した漁船
(20トン以上の漁船だけでも、48隻の漁船が被災)

5.応急仮設住宅

現在、気仙沼市では、計1,666戸(8次着工分まで)の仮設住宅建設を予定していますが、希望の3,164世帯を大きく下回っており、全く足りておりません。

気仙沼市長は、宮城県知事との懇談の中で、平成23年9月までの全戸完成を予定していると話しておりますが、気仙沼市は平地が少ない為、民有地の確保も進めておりますが、非常に難航しています。

 

入居が決まった398戸(気仙沼公園106戸、気仙沼中学校85戸、小泉中学校93戸、旧唐桑小学校84戸、小原木小学校30戸)に関しても、その内のいくつかの世帯は、民間のアパートを借りた方や仮設住宅の建設が遅く、市外に出てしまった方等の入居のキャンセルが相次いでおります。

 

6.雇用
この度の震災により仕事を失われた多くの方々に対し、雇用の場を早急に確保する必要があることから「緊急雇用創出事業」と
「ふるさと雇用再生特別基金事業」の2事業を、緊急雇用対策として創出・提供しておりますが、震災後、気仙沼市の失業者は1,000人を越えており、両事業合わせても雇用予定人数は150名程度と少なく、短い雇用期間を考えても一時しのぎでしかありません。

また、今回の震災において、気仙沼市内で被災した個人事業主の店舗数は500店舗以上あります。

多くの個人事業主はテナントで借りている方が殆どであり、震災翌日から一瞬の内に仕事を失い、従業員も解雇せざるを得なく、収入の道が閉ざされた為に家賃が滞ってしまい、アパートを追い出され、市外に出た方や避難所に行った方々も大勢おります。

私のもとに相談に来られた個人事業主の皆さんはこう話しておりました。

「いろいろな方々から募金をしたから頑張ってほしいと言われても、義援金を受け取っているわけではないので、素直にありがとうと言えない」

「このままでは、自己破産して、生活保護を受給するしか道はない」

先日、市内の個人事業主が集まり、なんとか一部で仮設店舗の建設がはじまりましたが、建設には2〜3ヶ月を要するとともに、設備投資やテナント料(市が土地を提供出来ないので、私有地に仮設店舗建設を進めている為)を払うことも難しい状態です。

また、仮設店舗への入居が決まらなければ、銀行からの融資も受けることが出来ません。

個人事業主に対しての救済措置も雇用対策にあたるのではないでしょうか?

 

<終わりに>

被災者の皆さんが一番願っていることは、働く場と住居です。

仮の住まいでもなく、救援物資に頼ることもない当たり前の普通の生活を望んでおります。

住まいに関しては、仮設住宅への入居を望んでいる方は少なく、被災者にとっては、仮設住宅はプライバシーがある程度守られている二次避難場所という位置付けでしかありません。

雇用に関しても、緊急雇用対策のような短期的な対策ではなく、被災した企業の救済や、少しでも早く会社が元通りに再建できるための長期的な視野での措置を望んでおります。

また、被災者を傷付ける等の批判もあると思いますが、漁船が建造物や陸地に乗り上げた気仙沼の一角は、地震や津波の猛威を後世に伝えるために残し、世界遺産や歴史的な建造物として、世界中から人々が訪れるような街を目指すべきであると私は考えております。

気仙沼市をはじめとした被災地の復興には、国の全面的な支援が必要です。

何卒、ご支援とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。